ドイツ・レストランFumi(ダイデスハイム)元スタッフ被害者の実録記

※ タイトル背景画像:社長自らが一方的に自宅まで押しかけ、ドア外側に張り付けた「不当解雇通知」。弁護士を通じて解雇制限訴訟に踏み切り、不当解雇撤回を勝ち取った。

 当ブログは、ドイツ西南部のダイデスハイム(Deidesheim)にある、ワイン醸造所Josef Biffar Wein & Sekt GmbH(ヨーゼフ・ビファー)および併設の和食レストラン・フミ(Restaurant Fumi)元従業員の実体験を綴るものである。

※ 当ブログの免責事項を必ずお読みください。

  あくまでもメンバーそれぞれ個人の実録記です。
  メッセージは歓迎しますが、法律相談は専門家にお願いいたします。

※ 2020年2月11日追記:
(以下の記事は、『個別の記事を作るまでもないエピソード箇条書き_その1』と同時に作成したものであるが、下書きのまま長らく放置状態であった。そもそも管理人も当ブログの存在を忘れていた。当ブログに対し、数多くの反響があることから、この機会に記事を一つ更新しようと思う。なお、以下の記事にある「古参の幹部:仮称A」が、2020年2月現在もJosef Biffarに在籍するのか否かについては不明であることをご承知置き願いたい。)

 
個別に記事を作るほどの事件ではないが、Josef Biffarの会社組織と社長らの性格や内情をよく表すエピソードは、枚挙に暇がない。
 ここでは、何回かに分けて、そのエピソードを紹介することにする。
 (ただし、ほとんどすべてのエピソードは物証等が無いため、あくまでも個々人の証言を元にして構成している。)


その1_社長の性格編 はコチラから


その2_古参の幹部編

 Josef Biffarには社長に負けず劣らず管理能力に難がある古参の幹部スタッフ(ここでは仮称Aとする)が一人いる。ここでは、その人物にまつわるエピソードを紹介する。
 それを紹介するのは、Josef Biffarという会社とその社長は、このようにまったく信頼するに足り得ない人物を幹部に据えている会社組織だということを紹介するためである。



● ドイツでは3~6ヵ月の試用期間を設けるのが一般的であり、その間は、雇用者・被雇用者ともに、告知なしの解雇、退職が可能となる。
 Aはことあるごとに「この試用期間中はいつでも解雇できるのだ」ということを繰り返し、さまざまな勤務上のプレッシャーをかけてくる人物である。但し、ドイツ人スタッフに対しては一切そういう態度を取らない。

● 新メニュー試作のための食材購入費用はキッチンスタッフの自腹(Aによる指示)。

● 社長以外で、唯一タイムカードの管理、事後操作が許されていたのがAである。彼は
自分が在宅で事務作業した時には、後から休日出勤したようにタイムカードを書き換える一方で、その他社員やアルバイトがやむなく早出したりシフト外勤務をしたりしても、それらは一切書き入れない

● 上記と関連して、PCエラーにより出退勤パネルが作動せず、やむなく出退勤時間を手書きで記録してAに手渡したことがあった。後日、Aは「入力しておきました」とはっきり言ったにもかかわらず、この分はPCに反映されていなかった。その事を本人に問い正すと「そんな事言ったかどうか覚えてません」との発言。※ このAの発言はICレコーダーで録音してある

チップは各月の総勤務時間に比例する。出退勤パネルを操作できるのは社長ともう一人Aだけである。なぜか一人だけチップが異様に多い人物がいた。

● 一見、大人しそうで気の弱そうな新人を執拗にいびる(但し、相手は日本人スタッフに限る)。それに対して我慢の限界を感じ、抗議も含めてAの日頃のいい加減振りやパフォーマンスの悪さを本人に強く指摘すると、今度は借りてきた猫のような態度に変わり、以降、Aが勝手に自作した変なあだ名をやめて「さん」付けで呼んでくるようになる。つまり、Aがやっていることはただの弱い者いじめ。この、Aによって勝手につけられた変なあだ名に不快感を抱いていた元従業員は少なくない。

社長がいない場では他スタッフに社長の悪口を言うが、社長が現れるや否や、ゴマすり媚売り超☆臨機応変フレキシブル。なお、Aが言う社長の悪口に同調したり、Aもいる場で社長への不平を発言したりして、その後、Aと対立したスタッフは、以後、Aによって社長にあることないことを言われまくる。

● 2018年1月上旬当時のAの発言から、当時の料理長が、社長から2月1日付けで「契約満了の上で更新なし」の通告をされることをAは事前に知っていた。それによって、料理長とご家族が4週間後に社宅から追い出されること、小学生になるお子さんや未就学児が突然転校や転園を余儀なくされる事態になることもAは知っていながら、最後まで傍観していた。最っ低。

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内容別目次:

 法律解説等も含めてカテゴリ別に記事を分類したもの(時系列順不同)。
 なお、各記事の投稿順序と、実際の時系列は関連しないことをご承知置き願いたい。
 時系列まとめは別記事で公開した。


当ブログの免責事項
・目次
はじめに
 『ブログ開設にあたって(前書き)
時系列まとめ
 『レストランFumiでのできごと(時系列まとめ)
謝辞
 『謝辞
これから渡独予定の方へ
 『ドイツでは弁護士保険の加入を!
ドイツ移民法
 『滞在許可申請が却下されたら、即刻、強制送還になるのか?【その1】
 『滞在許可申請が却下されたら、即刻、強制送還になるのか?【その2】
ドイツ事情
 『公的扶助により、裁判・弁護士費用が全額支給される場合もある
 『「弁護士の手紙」効果とは?(於ドイツ)
 『「知らなかった」では済まされない、児童虐待
ドイツ住居賃貸借法
 『社宅や寮の場合、賃貸契約(住居賃貸借法)の特約に注意!
 『賃貸物件の入居時に作成しておくべき書類
ドイツ労働法あれこれ
 ―雇用制度の概要
 『ドイツの雇用制度概要
 ―不当解雇
 『ドイツで不当解雇を受けたら
 『内容がわからない書類にサインをするな!受け取るな!【その1】
 『内容がわからない書類にサインをするな!受け取るな!【その2】
 ―賃金未払い
 『ドイツで賃金未払いに遭ったら
 『出退勤タイムカードは毎日写真を撮って記録する!
 『解雇制限訴訟を終えて、その後【その1】
 『解雇制限訴訟を終えて、その後【その2】
 『解雇制限訴訟を終えて、その後【その3】
 ―就労中の妊娠と出産
 『ドイツで就労中に妊娠したら
 『就労中の妊婦のための規定(母性保護法)
 『ドイツにおける育児休暇(Elternzeit)
 『産休期間以前の有給休暇が未消化だったら
 ―有給休暇・病欠
 『全てのMinijobberには有給休暇が認められている
 『「病欠」およびその期間の決定は医師に権限あり!
 『パワハラでうつ病_その1 経営者としての資格とは?
 『パワハラでうつ病_その2 病欠と退職と
 ―その他
 『「契約期間満了の上での更新なし」には要注意!
 『法では裁かれないこと
結論
おわりに

・不定期更新こぼれ話(以後、不定期更新
 『Back to Basics
 『
「だったら雇うなよ。最低保証くらいしろよ。」
 『
個別の記事を作るまでもないエピソード箇条書き_その1
 
悪事千里を走る
 『法の不知は抗弁たり得ず
 『個別の記事を作るまでもないエピソード箇条書き_その2NEW!!

 日本では、刑法38条3頁にこの条文がある。
 一般的には「法の不知はこれを許さず」と言われ、通常の解釈としては、

 「店内のコンセントで携帯を充電すると窃盗罪になるなんて知らなかった」
 「ゴミ捨て場にあった自転車を自分のものにすると横領罪になるなんて知らなかった」

 等、「そんな法律知らなかった」という「事実」は抗弁とは認められず、犯罪は犯罪、というものだ。


 さて、今回、法律家の知人より、刑法38条3頁の「意訳」をご教示いただいた。

 「隣の法律家は悪しき隣人」

 もっと言えば、

 「法律は、その抜け穴も含めて知っている者勝ち、知らない奴が悪い(敗者)

 という、やや強引な解釈ではあるが、現実は非情でありまさにその通りである。

 一般的にいって、日本社会にいる日本人は、道義と一体な形で「フェアプレイ」精神というものを考えがちであり、それが欧州の「契約社会」とは対照的に日本が「信用社会」といわれる所以でもある。
 
 残念ながら、諸外国において、この「日本の信用社会で長くやってきた日本人の性質」を故意に利用する日本人が少なからずいる。
 まして、法律の抜け穴を専ら私利私欲のために悪用したり、相手が現地語や法律に疎いのをいいことにして弄んだりするような人間に「フェア精神」を期待しても無駄である。
 そもそも、そんな人間は「良心の呵責」なんて概念自体を持ち合わせていない。


 日本でよく例に出されるのは、「連帯保証人」の意味を正確に理解していなかったにもかかわらず、求められるままに署名し捺印してしまった人の顛末である。

 「私が賠償するなんて説明は全然なかった!

 と、事後になって主張したところで、どうにもならない。


 似たような事例が、ドイツでも起こっている
 事前に、「実は自分だけ救命ボートがあって、いざ転覆となれば全て丸投げして真っ先に逃げる計画」について、ご親切に説明してくれることは絶対にない。

 「日本人同士だし、悪いことにはならないだろう」と、言われるがまま、流されるままに何らかの法的拘束力ある書類にサインしてしまえば、たとえ被害者の法律に対する無知・無防備さが故意に利用されたことが明らかだとしても、法廷に持ち込むことすらほぼ不可能である。
 ドイツでの具体例を少し挙げるなら、筆者に起こった「不当解雇通知張り付け事件」も、まさにこれが当てはまる。

 現実とは非情であり、良くも悪くも「法の不知は抗弁たり得ず」なのだ。

 
 

 但し、だからといって、

 「法律を知らない奴が悪い、知らない奴が負け、サインした本人の落ち度」

 という結論でこの記事は終わらない。


 人類史上すべての宗教において、
 そして、文化圏を問わず、すべての国に伝わる昔話の教訓において、

 こんなやり方をする人間は例外なく必ず報いを受ける。
  必ず、である。

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