ドイツ・レストランFumi(ダイデスハイム)元スタッフ被害者の実録記

※ タイトル背景画像:社長自らが一方的に自宅まで押しかけ、ドア外側に張り付けた「不当解雇通知」。弁護士を通じて解雇制限訴訟に踏み切り、不当解雇撤回を勝ち取った。

 当ブログは、ドイツ西南部のダイデスハイム(Deidesheim)にある、ワイン醸造所Josef Biffar Wein & Sekt GmbH(ヨーゼフ・ビファー)および併設の和食レストラン・フミ(Restaurant Fumi)元従業員の実体験を綴るものである。

※ 当ブログの免責事項を必ずお読みください。

  あくまでもメンバーそれぞれ個人の実録記です。
  メッセージは歓迎しますが、法律相談は専門家にお願いいたします。

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内容別目次:

 法律解説等も含めてカテゴリ別に記事を分類したもの(時系列順不同)。
 なお、各記事の投稿順序と、実際の時系列は関連しないことをご承知置き願いたい。
 時系列まとめは別記事で公開した。


当ブログの免責事項
・目次
はじめに
 『ブログ開設にあたって(前書き)
時系列まとめ
 『レストランFumiでのできごと(時系列まとめ)
謝辞
 『謝辞
これから渡独予定の方へ
 『ドイツでは弁護士保険の加入を!
ドイツ移民法
 『滞在許可申請が却下されたら、即刻、強制送還になるのか?【その1】
 『滞在許可申請が却下されたら、即刻、強制送還になるのか?【その2】
ドイツ事情
 『公的扶助により、裁判・弁護士費用が全額支給される場合もある
 『「弁護士の手紙」効果とは?(於ドイツ)
 『「知らなかった」では済まされない、児童虐待
ドイツ住居賃貸借法
 『社宅や寮の場合、賃貸契約(住居賃貸借法)の特約に注意!
 『賃貸物件の入居時に作成しておくべき書類
ドイツ労働法あれこれ
 ―雇用制度の概要
 『ドイツの雇用制度概要
 ―不当解雇
 『ドイツで不当解雇を受けたら
 『内容がわからない書類にサインをするな!受け取るな!【その1】
 『内容がわからない書類にサインをするな!受け取るな!【その2】
 ―賃金未払い
 『ドイツで賃金未払いに遭ったら
 『出退勤タイムカードは毎日写真を撮って記録する!
 『解雇制限訴訟を終えて、その後【その1】
 『解雇制限訴訟を終えて、その後【その2】
 『解雇制限訴訟を終えて、その後【その3】
 ―就労中の妊娠と出産
 『ドイツで就労中に妊娠したら
 『就労中の妊婦のための規定(母性保護法)
 『ドイツにおける育児休暇(Elternzeit)
 『産休期間以前の有給休暇が未消化だったら
 ―有給休暇・病欠
 『全てのMinijobberには有給休暇が認められている
 『「病欠」およびその期間の決定は医師に権限あり!
 『パワハラでうつ病_その1 経営者としての資格とは?
 『パワハラでうつ病_その2 病欠と退職と
 ―その他
 『「契約期間満了の上での更新なし」には要注意!
 『法では裁かれないこと
結論
おわりに

・不定期更新こぼれ話(以後、不定期更新
 『Back to Basics
 『
「だったら雇うなよ。最低保証くらいしろよ。」
 『
個別の記事を作るまでもないエピソード箇条書き_その1
 
悪事千里を走る
 『法の不知は抗弁たり得ず

 日本では、刑法38条3頁にこの条文がある。
 一般的には「法の不知はこれを許さず」と言われ、通常の解釈としては、

 「店内のコンセントで携帯を充電すると窃盗罪になるなんて知らなかった」
 「ゴミ捨て場にあった自転車を自分のものにすると横領罪になるなんて知らなかった」

 等、「そんな法律知らなかった」という「事実」は抗弁とは認められず、犯罪は犯罪、というものだ。


 さて、今回、法律家の知人より、刑法38条3頁の「意訳」をご教示いただいた。

 「隣の法律家は悪しき隣人」

 もっと言えば、

 「法律は、その抜け穴も含めて知っている者勝ち、知らない奴が悪い(敗者)

 という、やや強引な解釈ではあるが、現実は非情でありまさにその通りである。

 一般的にいって、日本社会にいる日本人は、道義と一体な形で「フェアプレイ」精神というものを考えがちであり、それが欧州の「契約社会」とは対照的に日本が「信用社会」といわれる所以でもある。
 
 残念ながら、諸外国において、この「日本の信用社会で長くやってきた日本人の性質」を故意に利用する日本人が少なからずいる。
 まして、法律の抜け穴を専ら私利私欲のために悪用したり、相手が現地語や法律に疎いのをいいことにして弄んだりするような人間に「フェア精神」を期待しても無駄である。
 そもそも、そんな人間は「良心の呵責」なんて概念自体を持ち合わせていない。


 日本でよく例に出されるのは、「連帯保証人」の意味を正確に理解していなかったにもかかわらず、求められるままに署名し捺印してしまった人の顛末である。

 「私が賠償するなんて説明は全然なかった!

 と、事後になって主張したところで、どうにもならない。


 似たような事例が、ドイツでも起こっている
 事前に、「実は自分だけ救命ボートがあって、いざ転覆となれば全て丸投げして真っ先に逃げる計画」について、ご親切に説明してくれることは絶対にない。

 「日本人同士だし、悪いことにはならないだろう」と、言われるがまま、流されるままに何らかの法的拘束力ある書類にサインしてしまえば、たとえ被害者の法律に対する無知・無防備さが故意に利用されたことが明らかだとしても、法廷に持ち込むことすらほぼ不可能である。
 ドイツでの具体例を少し挙げるなら、筆者に起こった「不当解雇通知張り付け事件」も、まさにこれが当てはまる。

 現実とは非情であり、良くも悪くも「法の不知は抗弁たり得ず」なのだ。

 
 

 但し、だからといって、

 「法律を知らない奴が悪い、知らない奴が負け、サインした本人の落ち度」

 という結論でこの記事は終わらない。


 人類史上すべての宗教において、
 そして、文化圏を問わず、すべての国に伝わる昔話の教訓において、

 こんなやり方をする人間は例外なく必ず報いを受ける。
  必ず、である。

「悪事千里を走る」
悪い行為は、瞬く間に噂が四方八方に広まっていく、という意味である。

まさにこの諺の通り、Josef Biffarと、その経営者の悪行は、もはやドイツ全土に知れ渡っていると言っても過言ではあるまい。
それもそのはず。
ただでさえ狭い、海外の日本人コミュニティ。少しでも変な噂が出ようものなら、その伝播はあっという間だ。
さらにその中で、飲食業界と言えば、人の入れ替わりが激しいのが世の常。
入れ替わりが激しい、すなわち人の移動が多いわけで、今日もいたるところで、「自分の前の職場は〇〇だった」「あの人が今度行くところは×××らしい」などの “情報交換” が絶えず行われている。

実際に、Josef Biffarはどれほど有名なのか。
具体例を挙げていこう。


● 70里先の弁護士も知る悪評

一連のJosef Biffarによる不当解雇、賃金未払い等の不正行為について、筆者は少なくとも3件の弁護士事務所に相談した。
一つは、まさに地元の弁護士事務所。
二つ目は、ダイデスハイムからは約30km離れたハイデルベルグに事務所を構える弁護士。
そして、三つ目は、ダイデスハイムから約270km離れたデュッセルドルフの弁護士事務所だ。

地元の弁護士は、
もはや説明が要らないほどJosef Biffarの悪評を知っていた

二つ目の弁護士は、訳あってJosef Biffarとその社長・徳岡史子の過去の行為の一部を知っていた人物である。
なぜ、知っているのか、その詳しい経緯をここでは記さないが、とにもかくにもハイデルベルグでもJosef Biffarの噂は広まっていたのである。

しかし
驚いたのは、三つ目のデュッセルドルフの弁護士事務所(以下、E弁)にも知られていたことである。
デュッセルドルフと言えば、欧州に限らず世界的にも有数の日本人街を擁する都市であり、日本語対応が可能な弁護士、翻訳士、医者、不動産屋、商社…などがある。
当初相談したE弁も、ドイツ国内に住む日本人なら一度は耳にしたことがあるであろう有名事務所であり、日本語で相談できるとのことで、かなりの遠方ながら連絡をとってみたのである。

筆者「〇〇〇、×××ということで、どうにかなりませんか」
E弁「わかりました、調査してみます。ところで、どちらにお住まいですか?」
筆者「ラインラント=プファルツ州のダイデスハイムです」
E弁「ダイデスハイム・・・?というと、もしかして、えーーっと名前なんでしたっけ・・・お勤め先はなんという会社ですか?」
筆者「Josef Biffar、レストランfumiです」
E弁「ああ、そう!Josef Biffarですね。知ってますよ
筆者「え!?知ってる?」
E弁「はい、以前もそちらに勤めていたという方が何人か相談に来られました。過去にも同じようなことで調べたことがあります。」

結果からいえば、筆者については、E弁に何かしら具体的な手続きを取ってもらうことはなかった。
しかし、誰かは知らないが、過去に筆者と同じく、Josef Biffarに賃金未払い等の違反行為を受けた複数の日本人が、同じように拠り所としてE弁に相談していたのだ。
このようにして、Josef Biffarの
賃金ピンハネ体質等は、実に約270km(≒70里)先まで、その名を轟かせていたのである。


● 転職先にも “元fumi” が

Josef Biffarの名前は、日本人が多く住むデュッセルドルフだけに限らず、遠くミュンヘンやベルリンにも知られているという。
これは、複数の人からの証言を元にしている。

すでにほかの記事でも紹介したように、同社はほぼ常に求人を出している。
理由は、人がすぐに辞める、定着しないからだ。
だから、その求人を見た、実際に応募した、という人と数多く出会うことがある。
面接した人で、
 「面接はしたが、対応が嫌な感じだったのでやめた」
 「社長と会って話をしたが、直観的に合わないと思った」
などといった人がいた。
また、応募はしなかったものの、
 「同僚らと求人を見て、よくない噂を耳にした」
 「残業手当として、金銭ではなく無理やり自社ワインを押し付けられて、誤魔化されるという話を聞いた」
などの証言もあった。

果てには、ダイデスハイムから約480km離れたベルリンで働いた経験のある人が、「ベルリンでも、あまり評判のよくない日本人経営のワイン蔵があるという噂は聞いた」とも話していた。
ベルリンよりもダイデスハイムに近いが、やはり大都市のミュンヘンでも、そうした噂は飛び交っていたという。
なぜ、それほどまでに噂が広まっているかと言えば、それは、Josef Biffarが毎年多くの人を採っては辞め、採っては辞めを繰り返しているからに他ならない。
だから、ドイツ国内で転職し、他の飲食店に採用された際、そこにたまたま “元fumi” の人間がいた、というパターンも幾度か聞いた話である。


● 町民に広がるウワサ

ここまで悪評が広まっている組織である。
当のダイデスハイム町内においても、それは留まるところを知らない。
筆者が入社するよりも数年前の話だが、元fumi従業員の日本人が突如社宅から追い出されて他都市へ移っていったというエピソードを、とあるご近所さんが教えてくれた。
なお、この証言をした人物は、当該の日本人といまだにSNSで繋がっており、かなり真実性の高い話であると思われる。
その後、筆者が渡独した直後の当時の料理長の件、そして我が家の件と続き、町内の幼稚園や小学校関係者の間でも悪評は広まっている。

そのほか、徳岡史子が先代のBiffar家からワイン蔵を買い取った際のウワサ、町内のワイン蔵が集う協同組合に入らないといったウワサ、従業員たちとの度重なるトラブルのウワサ…etc
などなど、Josef Biffarの悪い噂を知っている地元住民は相当数存在していた。


● 井戸端会議でも話題の的に

前述の弁護士の話にも出てきたが、ハイデルベルグという町がある
14世紀後半にドイツ最古の大学が設立された古都で、いまだに多くの学生が世界中から集う。
日本人居住者も多く、そのため、この町には日本
補習校もあるのだ。

その補習校でも、Josef Biffarの評判は届いており、ウワサ好きなお母さん方の中でも、ホットな話題の一つになっているという。
このハイデルベルグには、レストランfumiの支店があったが、この支店は2018年8月に予告なく突然閉鎖。
また、元従業員で子どもをこの補習校に通わせていた者もいたため、多くの補習校関係者が、その評判に関心を持っていた
ということだ。

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